代表挨拶





人材育成マネジメント研究会は、2005年にNPOとして設立して以来、「学びの質の向上」を目指して多くのワークショップを開催してきました。

なぜ今「質」が求められているのでしょうか。

私は、競争的要素を拡大してきた社会が、時代の流れとともに立ちゆかなくなってきているからだと考えています。
誰かを踏み倒し、誰かが犠牲となることで成り立つやり方に限界が来ているのだと思います。

多くの価値観が存在するこの時代に、もう正解はありません。
みんなが納得できる解を見つけていくしか方法はないのです。





教育の原点は、やはり「人」―――――、さらに言えば「いのち」です。

学ぶ人、一人一人が主役となって社会を構成していく。
国、会社、学校、地域、ひとつの家族においても、組織の中でひとりひとりの「人」を活かすための教育。
あらゆる組織において、もっと「個」が尊重されるべきではないでしょうか。

「組織」と「個」の関係が逆になれば、とんでもない事が起こるでしょう。

国のために国民が命を犠牲にし、
会社のために社員が必要以上の利益を求められ、
学校のために生徒が学力の向上を強いられ、
地域のために言いたいことが言えない住民が増え、
家族のために体を壊しても働き続けなければならない。

では、私たちは「教育」に携わる人間として、「個」が活かされる社会にするために、どのように行動をしていけば良いのでしょうか。

まず最初に私たちがすべきなのは、今までの過ちを反省することではないでしょうか。

今までのような企業内教育でいいのか。
今までのような学校教育でいいのか。
今までのような地域教育でいいのか。
今までのような生涯教育でいいのか。
今までのような家庭教育でいいのか。

そして、国民であり、社員であり、父であり、母である前に、ひとりの『人』として原点に帰ることが必要なのです。
その上で、教育に携わるプロフェッショナルとして、教育の「質」を向上させる必要があります。





「質」の向上を図るために必要な要素は「考え抜き、行動を起こす」ことだと思います。

教育の「質」とは何なのかということを、もっと深く考え抜く必要があるのです。
そのためには、基礎となる「知識」や「知恵」を学び、「行動を起こす」必要があります。
そして「素」の状態で共に悩む仲間が必要です。

「考え抜き、行動を起こす」人たちが
人を生かすことを考え抜くみんなの場―――――

人材育成マネジメント研究会は、そんな場を創り上げていきたいと思います。

私は平素より、外に学んで、内に生かす「ソトガク」という考え方を追求しています。

人は「外」から多くのことを学びます。
「外」からの学びによって「内」にある問題を解決していくことができるのです。
そして「個」がワクワクし、イキイキする自立した生き方で利他を追求していく。
それがソトガクの真骨頂です。

人材育成マネジメント研究会の中に、ソトガクによって新しく広がる世界を生み出したいのです。





これまで、主に企業の教育を話題の中心としてきた小会ですが、「ソトガク」による拡がりの第一歩として、今年度より大学教育との連携を図るために、大学教育における「ICT利活用」をテーマとした分科会を加えます。
もちろん、堤前代表がやっていた「基盤教育研究」の分野もこれまでと同じように開催をいたします。

その中で小会が開催する研究会に共通する
「ICTを利用して学習をデザインする。」
というテーマを掲げることにしました。
※ ICT(Information Communication Technology)

これは単純にITを教育の効率化のみに利用するのではなく、教育の質に直結する活用の方法について追求し、研究するものです。

一昨年より、毎月開催されている「ケータイ活用教育研究会」の中で、立正大学の副学長である今井 賢 教授は「真の教育の質保証とは、学習意欲の向上である」というお話をされています。

その「教育の品質保証」のために、ICTを利用し、「教育の質を向上させる」ために活用していこうというものです。

ケータイ活用教育研究会」には、これまでに、100名近い大学の先生方が集い、教育について熱い議論を交わしている会です。
前に述べた「ICTを利用して学習をデザインする。」というテーマの下に、兼ねてから私が事務局を務めていたこの研究会を人材育成マネジメント研究会の一つの会として融合させることにしました。

アカデミックな世界で尽力されている先生方と、企業のHRDの世界で汗を流す担当者の方々がつながることで、新たな知恵が生まれることを期待し、我々も新しい一歩を踏み出すことを決意しました。

企業と大学はもっと連携できるはずです。
そのためには、まず人と人の関係がなければ始りません。
人材育成マネジメント研究会のワークショップを通じて、企業と大学がお互いに学ぶべき部分を共有し、より良い関係性の構築を実現したいと考えます。

多くの方に積極的にご参加頂き、勉強や対話を通じて、「互いに学び・互いに成長」をして頂くことが我々の願いです。

学ぶ人が主役―――――
まさに、あなたも主役なのですから。

今後とも、NPO法人人材育成マネジメント研究会を宜しくお願い致します。




開催レポート