実行委員会代表メンバーが語る、知恵組フェスタ2010のコンセプト

「街を、人を、もっと元気にしたい。」という想いから始まった知恵組フェスタ2010。
昨年の開催から約一年を経て、今年は「街のこと、人のこと、みんなで少し考えてみませんか?」という呼びかけのもとに、さらに多くの方に知恵組ワールドを体験してもらうべく、日々さまざまな企画が進行しています。
実行委員会を代表する3人が語る知恵組フェスタ2010の開催に寄せる想いをメッセージとして伝えます。

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──まず、最初に「知恵組フェスタ2010」を伊豆で開催することになったきっかけについてお聞かせください。

永 谷  昨年は、東京で「外で学ぼう」というテーマで、知恵組のオーナーたちと、第1回目の知恵組フェスタを開催したんです。
その時会場に来場された方や、後日知恵組フェスタのイベント内容をご覧になった方から「このイベントを東京以外の地域でやってほしい。」という依頼をたくさん頂きまして。
そんななかで、私の地元でもある伊豆で、NPOサプライズの代表として活動している飯倉さんに相談をしたところ、「だったらまずは我々の地元である伊豆を元気にするというテーマで知恵組フェスタをやってみよう。」という流れになったんです。


飯 倉  去年の知恵組フェスタには、NPOサプライズとしても参加をしたのですが、当日に私事で遅刻をしてしまいまして・・・(笑)
だからというわけではないのですが、永谷さんから「やろう!」というお誘いがあった時には、「投げられたものはすべて受けよう。」と思っていた、というのが最初の動機ですね。
あとは、NPOサプライズは2年間の活動の中で、あまり背伸びをせず、自分たちにできる活動をしてきたのですが、そろそろNPOサプライズとしても、みんなで少し背伸びをしても良い時期かなという想いもあって、このイベントに携わろうと思いました。


永 谷  まあそんな流れもあって、伊豆で知恵組フェスタを開催する企画をスタートさせました。
今回の知恵組フェスタでは、ただ単純に「伊豆を元気にしよう!」というテーマで、伊豆の中で伊豆の人たちだけでこのイベントを開催するのではなく、東京をはじめ、他の地域でさまざまな活動をしている「学習コミュニティ」にも参加してもらって、外からのパワーや価値観にもふれることができるイベントにしようと思っています。
普段はふれる機会の少ない価値観にふれることで、伊豆に住む人たちも、他の地域から来た人たちも、新しい伊豆の良さを発見できるのではないか、と。






 泉   知恵組のミッションは何なのか、という話をよく永谷さんとするのですが、昨年の企画が持ち上がったときに、最初は「学習コミュニティ」が元気になったらいいなと思っていたんです。
学習コミュニティが元気になるためには、まず学習コミュニティのオーナーが元気にならなくてはならない。
だからこそ彼らにスポットを当ててあげたいという想いから、去年の知恵組フェスタは「外で学ぼう」というテーマのもとに、さまざまな学習コミュニティに出展してもらって、いろいろな学びにふれることができるイベントを開催したんです。
結果、去年の知恵組フェスタは300名以上の方にご来場頂いて、イベントとしては成功だったと思います。
しかしながら、「はたしてこれだけでいいのか?」と。
「自分たちの内輪だけで盛り上がっていいのだろうか?」と。
そういった疑問をもったときに、せっかくこういう大規模なイベントをするのだから、ひとつの大きなテーマに対して、参加者全員でチャレンジするということも必要なのではないかと思ったんです。

やはり、チャレンジをすることで人は成長しますから。
そんな考えの中で、やりがいがあるのは地域活性化かなという我々の想いもあり、今回のテーマに辿り着きました。
実際、チャレンジする甲斐がありますし、難しいことだと思うんですよ。「地域の活性」は。
日本全国どこの地域にもある課題だと思いますし、地元の方々もなかなか思うように地元を「活性」できないというジレンマを抱えていると思うんです。
ましてや、世の中の大きな事柄は東京に集中していたりするので、もっと地域の方々に「主役感」をもってほしいというか、地域の心に火をつける人たちがいないな、と。
そういう話の中で、知恵組の名のもとに集う学習コミュニティがその役割を担えないかなということで、「地域を元気にする」というテーマで開催する第一回目の知恵組フェスタを伊豆で開催することになりました。


──では、今後知恵組フェスタは、他の地域でも開催をされていくと?

永 谷  そうですね。
すでに千葉や九州の方からも同じようなことをやってほしいというお話を頂いていて、今後できることなら日本だけではなく、海外でも同じようなテーマで知恵組フェスタを開催することができれば良いなと考えています。






──「知恵組フェスタ2010」には主にどんな人たちに来場して頂きたいとお考えですか?

永 谷  今回は「伊豆を元気にしたい」という想いからスタートしているので、地域でさまざまな活動に参加されている方、なにより「伊豆の良さをもっと知ってほしい。」逆に「もっと知りたい。」と思っている方には是非来て頂きたいですね。
あとは、知恵組フェスタは「あまりお堅いイベントにはしたくない。」という想いもあって、どんな方でも気軽に参加できるようなスタイルで開催しているんです。
家族連れの方や、普段あまりこういうイベントには参加されない方にも楽しんでほしいですね。
今回は「地域活性」という目的もありますし、ご年配の方にも是非たくさん参加して頂きたいと思っています。

知恵組フェスタに来て話をするテーマはなんでもいいんです。
たとえば、伊豆の特産品である「わさび」をどんなふうに売り出せばいいか、とかね。
こういうのって普通は企業に勤めているオトナたちが考えたりするものでしょ?
たとえばそれを生産者の方、一般の消費者の方、もちろん関連企業や他業種の方も交えてみんなで話をすることで、斬新でアイデアに溢れた「知恵」が生まれるのではないかなと思っています。


飯 倉  私自身は、基本的には誰が来ても構わない、ごちゃ混ぜな雰囲気になってしまってもいいと思っているんです。開催は伊豆市になりますが、伊豆市半島全域、静岡県東部、中部など近隣の方には是非足を運んで頂きたいですね。

地域の問題をテーマにした、映画「降りてゆく生き方」の上映会や、知恵組の「学習コミュニティ」がさまざまな企画をしてブースを出展してくれるということなので、NPOサプライズも一つのコミュニティとして参加して、パネルディスカッションを開催しようと思っています。
官公庁の方やマイクロソフトの方がパネラーとして来てくださって、同じ話題を共有する。
こういうことって、地元の人間からすると、実は来てくれるだけで「希望」なんですよ。

たとえば、伊豆には病院が少なかったりする一方で、日本で唯一ドクターヘリが2機もあったりするという。
そういう地域に、マイクロソフトの方が来てくれて、遠隔地医療だったり電子カルテの話をしてくれるということは、夢のまた夢なんですね。
なので、そういう話はみんなにとって必要なものなので、是非そんな話も聞きにきて頂きたいですね。

あと、映画「降りてゆく生き方」も是非観に来て頂きたい。
私も実はまだ本編は見ていないんですけど、田舎というのはやはり独特の雰囲気があって、都会から来た人たちを受け入れる部分が不足しているところもあるんですよ。
まして、人口も減少していたりしている中で「私たちひとりひとりに何ができるのか?」ということを参加者の方に感じていただければ良いかなと思っています。
そうは言っても、結局正解はないというか。何を感じて、どう考えなければいけない、というのはないと思うんですよ。
それぞれいろんなアンテナがあるから。

だからこそ、いろいろな立場の方がいる中で、何かを感じてくれれば良いかな、と思っています。


──なるほど。では、泉副代表は来場者の方々にどのようなことを感じて頂きたいと考えていますか?

 泉   誰にでも、あまり人には言わないけれど 「実はこんなことが好き」 とか 「実はこんなことができたらいいのに」 と思っている部分が、少なからずあると思うんですよ。
ですから、そういう想いを隠さないで、どんどん表に出して、参加者同士がどんどん刺激をしあってほしいと思っています。
一人で「実はこれが好き」と思っていても、それになかなか気付くことができなかったり、見ないふりをしたりすることがあると思うんです。
なので、知恵組フェスタ2010では、是非、同じ想いをもっている人を見つけて、つながったときの喜びやパワーを感じて頂きたいと思っています。






──最後になりますが、当日知恵組フェスタ2010にご来場される皆様にメッセージをお願いします。

永 谷  知恵組フェスタに来て頂いた人たちには、とにかく誰かと話をしてほしいと思っています。
会ったことがない人、話したことが無い人はもちろん、職業も年齢も立場も違う人といろんな話をしてほしいですね。
知恵組フェスタでは、誰とでも話がしやすい雰囲気や、企画を作っていこうと思っていますので、壁をつくらずにいろんな人と話をして、いろんなことに気付き、新しい「知恵」に出会ってもらいたいな、と思っています。
一番大事なのはこのイベントを成功させることではなくて、このイベントで出会った人たちがつながって、このイベントが終わったあとになにか新しいことを始めたり、いままで参加しなかった地域の活動に参加したり、なにか大切なことに気が付いたりすることだと思うので、この知恵組フェスタ2010に来た日をきっかけに、未来に向かって新しい一歩を踏み出してほしいなと思っています。


飯 倉  とにかく参加していただきたいと思います。
参加しなければ何も始まらない。
地域を変えたい、時代を変えたい、人を変えたいという想いがそれぞれにあっても、それを成し遂げるために一番必要なのは、まず自分が変わることなので、自分の気持ちを真っ白に、そしてオープンにして来て頂きたいですね。
是非ご来場下さい。


──ありがとうございました。



(インタビュー/MISTO 久保田 達也)